おいしい果物を作るにはなにが必要なのかを一年を通して記録する予定です。
が、現状は8月までで止まってます。なにせ、出荷で忙しくて・・・。ごめんなさい。
年間作業スケジュール
1月
2月
3月
4月
5月更新しました 6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
もどる

1月
桃、葡萄など落葉果実は11月下旬より冬にかけて整枝剪定(せいしせんてい)を行います。

剪定は、無駄な枝を切りのぞき、充実した枝を育てます。作業に当たっては、日当たりや、今後の作業のしやすさを考慮し、整形します。
今年は暖冬のため、剪定作業は例年よりも多少早いようです。2月中に剪定を終え、縮葉病の発生を防ぐために、休眠期防除(消毒作業)を行います。

剪定作業 剪定作業2
TOPへ
2月
桃は、休眠期(落葉し、根が活動していない時期)に剪定(せんてい)を済ませます。
我が家では、2月中に剪定を済ませ摘蕾(てきらい)作業を迎えます。これは、不必要な蕾(つぼみ)を除くことにより貯蔵養分の浪費を防ぎ、健全で大きな花 を咲かせる為に行うのです。
4月上旬には、ピンクの見事な花が咲くことを願って。

ぶどうは、剪定を終えた枝を棚に配置し固定します。
この作業で重要なことは枝が重ならないようにすることです。重なると十分に光が入らず、棚が暗くなってしまうからです。
2月は寒波の襲来で季節風が強く、寒い日が多かったのですが、作柄は順調のようです。

ぶどうの枝の固定 棚に固定したぶどうの枝
TOPへ
3月
藁敷きの様子まず、桃の摘蕾作業を行います。これは2月の作業で書いたように、大き な花(実)を付けるために過剰なつぼみを取り除く作業です。また、木の根本には乾燥 を防ぐために、わらを敷きます。
 


ブドウの方は枝、幹の皮むきを行います。これは、越冬病害虫による幹の損傷を防ぐことを目的とします。
古い皮の間に病害虫が入ると木が腐ったり、痛んだりしてよいブドウが出来ません。
下の写真はブドウ皮むきツールです。手カンナのようですが、先がちょっと違います。両方が刃の様にになっています。また、取り除いた木の皮が衣服の中に入 らないように重装備で臨みます^^;
ブドウの皮むき 皮むきツール
TOPへ
4月
4月上旬より桃の花がほころび始めます。
桃畑の風景1 桃畑の風景2

桃の手入れ

さて、この時期の作業としては桃の授粉作業があります。桃の蕾をとって開葯器(かいやくき)という 機械を使って加熱保温します。そうすることで、蕾が開き花粉を取ることができるのです。
集めた花粉を毛ばたきを使って授粉させます。
受粉作業はすべての桃に行うわけではなく、花粉が少ない種類の桃だけに施します。
また、花粉の多い木(授粉しやすい木)は予め蕾を落としておき、実がつくのを少なくします。

葡萄の手入れ
冬に剪定をした枝(種弦と言います)を棚に付け固定すると、新芽(今年伸びる枝の芽)が出てきます。 1つの芽から2つか3つの新芽が出てくるので栄養が分散してしまい、そのままでは十分に枝が成長す ることが出来ません。

そこで、伸びの良い1芽を残してその芽に栄養を集中させます(これを「芽をそろえる」と言います)。 そうして芽が揃うと枝の伸びが良くなり、養分を十分に受けて大きく成長する、良い房を付けることが 出来るのです。

TOPへ
5月

桃の作業

美しい花の季節も終わり、5月に入ると桃の実は小指の爪くらいになり、日ごとに大きくなります。

摘果
受粉した花の数だけ実が付くので、枝には沢山の実が付いていています。長い枝は2から3個、中くらいの枝では1個、短い枝は3から5本に1個の割合で実を残し、あとは落としてしまいます。
大きい実には双胚果(種の中に胚が2つある)が多く、着色不良や変形果になりやすいので、これらも落とします。 
5月の農作業はこの摘果作業 で終わります。これをしないと実が小さくなったり、おいしい桃は出来ないのです。

防除
また、この頃から黒星病がおおくなるので、防除が必要になります。モモハモグリガ、ハマキムシなどの防除には交信かく乱剤を園内に配置 しなるべく農薬を使わずに防除します。

その他
水分調整や有機質の確保、害虫予防のために園内の草刈や、灌水を行います。

2007.05.17更新
摘果前 摘果後
摘果前
摘果後

撮影H13.5.20

葡萄の作業

葡萄の芽が伸びて大きな葉と長い蔓<つる>になっていきます。

摘房

5月は風が強く、新しい蔓は強風で折れてしまうため、伸びた蔓を棚に平行になるようにテープで固定していきます。同時に害虫発生の予防や、日当たりの確保 などの効果もあります。
葡萄の農作業は蔓付けが中心と なります。

ジベレリン処理

巨峰を種無しぶどうにするためにジベレリン処理を行います。これは、ぶどうの房一つ一つにジベレリン液を浸していく手間のかかる作業です。
ジベレリンは植物にある成長ホルモンで、人には無害で、植物の成長を早くしたり、種無しにすることができます。
ベト病、灰色カビ病などの発生が始まるので、早めに防除する必要があります。
甲斐路のベト病には早めにリドミルMZ水和剤が効果的のようです。
巨峰、甲斐路の房づくりは5月中、下旬ですが、巨峰は3cmくらい、甲斐路は12cmくらいが良いようです。
ジベレリン処理
ジベレリン処理の様子
2007.05.17更新

その他

桃と同様に園内の草刈を行います。

下の写真はブドウの房です。
摘房
撮影:H16.06.12
ブドウの花 拡大図:ブドウの花です。

TOPへ
6月

桃の作業

5月に摘果してピンポン玉ほどに大きくなった実一つひとつに袋をかけます。 これは、実にひびが入るのを防いだり、病害虫、雹などによる被害を防ぐためと、収穫量の調整、着色の促進など品質の向上につながります。
ポイントは、樹の上側には多めに、下側には少なめになるようにすることと、袋の中に葉が入らないようにして、風などで飛ばないようにしっかりつけます。
袋をかけない種類(無袋種)は、摘果の見直しをします。
実が多すぎる枝は実を減らして、 木(実)の成長を助けて出荷に備えます。
修正・加筆 2004.06.13
袋かけ
”シルバー”敷き
袋かけの模様
大きくなるまで、袋の中で大切に育てます。
”シルバー”敷きの模様
左手前にあるのが桃の実です。
撮影日:H13.6.20

葡萄の作業

巨峰は、玉の張りを良くするため、1つの房に付いている粒の数を減らします(摘粒)。
同時に、一房一房に傘紙をかけて行きます。 この作業の目的は、
  • 雨がかかると粒が割れて病気になってしまうので、ビニル製の傘をかける
  • 巨峰には実が日焼けして変質するのを防ぐのに、クラフト製の傘をかける
  • 甲斐路は遮光して色が良く付くようにクラフト製の傘をかける
かさ紙は、甲州以外の全ての房に、ビニルやクラフトの傘を、種類、棚の状況に合わせてかけて行かねばなりません。
桃も葡萄も、一つひとつに丁寧な作業が要求されます。
摘粒前 摘粒後
摘粒前 摘粒後

甲斐路は房についている花のカスを丁寧に落とします。これはカスから病気が発生するのを防ぐ効果があります。
加筆・修正2004.06.13
TOPへ
8月

ももの作業

ももの手入れ作業は一段落し、いよいよ出荷となります。
出荷の合間を見て袋をかけたももの袋取り(除袋=じょたい)や、きれいな色が付くように 反射シート(シルバー)を敷くなどしています。毎日午前4時に起床し夜7時までほとんど休む間もなく 大忙しです。

ぶどうの作業

巨峰・ピオーネ・甲斐路の摘粒(てきりゅう)、傘かけ作業でぶどうの作業は一段落です。